なぜ、マーケティングにデータ分析が必要なのか?

データストラテジストのじんと申します。
最初の一記事目に何を書くかいろいろ悩みましたが、自己紹介や自分の思考の棚卸し、どんな問題意識があってこのブログを立ち上げたのか、などを綴っていこうと思います。

ブログのタイトルにある通り、このサイトの大きな軸は「データドリブン」。
もともと私は新卒でSIer(門外漢の方に分かりやすくお伝えするならIT系)の企業に入社、そこで主にシステムのキャパシティ監視のためのデータ収集・分析業務を行っていました。

データベースに日々データを格納、それをSQLで抽出し、Excelで加工・集計・分析して報告、みたいなことをずっとやっていました。
(IT系と聞いて一般的に想像されるプログラミング開発などとは毛色が違う仕事です)

そこからいろいろあって、マーケティングの仕事にジョブチェンジするわけですが、自分がこれまで携わっていた仕事と比べて、「データ」の扱いに関して大きなギャップを感じました。

前職はデータを扱うことそれ自体が仕事だったので、ギャップがあって当たり前といえば当たり前なのですが、自分が感じた3つの問題意識について、ここから述べていきます。

問題意識1.データがストックされていない

まず何よりも感じたのが、データ自体はたくさんあるのにほとんど活用されていないということ。
(そもそも活用しようという発想自体がないと言ったほうが正しいのかもしれません)

CV数やアクセス数や成約数などの集計を行い、KGI・KPIと照らし合わせてどこがボトルネックになっているか確認するくらいはやりますが、あくまでそこまでという感じ。

何に大きく問題を感じたかというと、過去のプロジェクト・プロモーションのデータがストックされていない点。
過去の成功事例を活用したり、失敗事例と同じ轍を踏まないようにする等の仕組みができていないため、毎回ゼロからのスタートになってしまうのです。

そうすると、担当メンバーが入れ替わると過去と同じところで失敗が起きます。
経験した本人は個人レベルでは成長できているかもしれませんが、経験から得た知見がシェアされないと組織として成長するのは難しいですよね。

問題意識2.データの集計方法が非効率

先ほど数値の集計くらいは行っているとお伝えしましたが、その方法が非効率なケースも多々あります。

まず私が直面したのは、数値集計用のフォーマット自体が定まっていないケース。
とりあえず数値をスプレッドシートにまとめておいてと丸投げ。

確かにフォーマットをガチガチに固定化すると融通が効かなくなってしまいますが、最低限のフォーマットくらいはあってしかるべきだと感じました。

毎回毎回ゼロから考えるのは恐ろしく時間のムダですし、項目の抜け漏れをその都度いちいちフィードバックするのも非効率でしょう(まさに「車輪の再発明」でした)。

さらに、数値の集計作業をわざわざ手作業でやっているという非効率な現実にも直面しました。
(そのためだけに外注を雇っているケースもあるという話も聞きました)

方法を知らなければ、単純作業を自動化するという発想にも至らないのかもしれません。
改めて「知らない」というのはとても怖いことだなと思いましたね。

問題意識3.数値の意味合いを統計的に読み取ることができない

マーケティングの分野でこの問題もよく見かけました。

「ビジネスは数字のゲーム」
「数値を読み解けない奴はマーケターじゃない」

と声高に言ってる割に、統計学の知見すら持ち合わせていない人を何人か見てきました。

もちろん、経験がストックされてくるとアカデミックな裏付けなんてなくても感覚的に数値の意味合いをキャッチできるようにはなるでしょう。

でも、結局はそれも「感覚」にすぎない。
そして、その「感覚」を人に教えることはできません。

だからこれも「問題意識1」で述べたことと同じで、感覚ばかりに身を委ねてると組織としての成長スピードが恐ろしく遅くなってしまいます。

ABテストをやっても「なんとなく」でしか結果を解釈できなかったり、そもそもテストのやり方自体を間違っていたり、、

最低限の統計学の知見すら持ち合わせてないと、こういったことは当たり前のように起きるんだなと身を持って感じました。
(そして、その状況に何の疑いも感じていないところにまた別の恐ろしさがあります)

確かに、統計学の裏付けがあるからといって何でもかんでも正しいと言えるわけでもないのは事実です。
(ABテストの評価によく使われる統計的検定だって、微妙な評価しか下せないことは確かにある)

でもだからといって何でもかんでも感覚に委ねていては再現性がなく非効率でしょう。

マーケティングにおける論理・サイエンスの軽視

現代のマーケティングにおいて、感性やアートが重視される風潮がある一方で、サイエンスやデータ分析の重要性が軽視される傾向があるように感じます。

正確な市場分析や顧客分析、顧客のニーズや行動パターンの理解、市場のトレンドや競合情報の把握のためには、データ分析やサイエンスを避けて通ることはできません。

考えるよりも感じることの方が大事だとか、
論理よりも感性の方が大事だとか、
これからの時代はサイエンスよりもアートだとか、、、

こんなことが言われることが多いですが、感性というのは論理を追求し尽くした後でこそ研ぎ澄まされるものだと思います。

ツーカーで分かりあえることを重んじてきた日本人はとかく感覚を重視しがちですが、もっと論理を大事にすべきと感じています。

マーケティングにおける論理やサイエンスの追求の形跡をこのブログでは綴っていきます。

それではこれからよろしくお願いいたします。

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